鬱憤(うっぷん)を晴らすハットトリックの大暴れに、笑みがこぼれた。格下相手でも「結果を出し続けられるようにやるだけ」と話していたバーゼルFW柿谷曜一朗にとっては、何よりのアピールになった。

 前半24分、縦パスに抜け出して1点目を奪うと、同43分にはゴール前で横パスを難なく押し込んだ。後半14分にも右から流れてきたボールをGKの鼻先で浮かしてさらい、3点目。守備ラインの裏を鋭く突き、高い足元の技術を生かす持ち味を存分に発揮した。

 昨年11月以来の公式戦出場。ピッチになかなか立てなくても「これからのサッカー人生においてすごく貴重な時間」と新天地での挑戦を前向きに捉え、気持ちは切らさなかった。巡ってきたチャンスをしっかりものにし、今後の巻き返しへ転機となりそうだ。