Rマドリードのコロンビア代表MFハメス・ロドリゲス(23)が9日、Jクラブからのオファーを検討する用意があると明言した。都内で行われたトヨタ・新型「シエンタ」の発表会に参加するために来日。イベント後、単独取材に応じ、将来の設計図から、日本代表への提言、子供たちへのメッセージなど、熱く語った。

 欧州CL史上最多10度の優勝を誇るRマドリードの主力であっても、気取るところは一切なし。ハメスはリラックスした様子で選手としての将来について話し始めた。

 ハメス レアルのような世界最高のクラブでプレーすれば自分が大きく成長できる。昨夏、声をかけてもらって非常に光栄だった。だから入団を決めたんだ。トヨタのCMの話を受けたのも同じ。世界に名だたる大企業と仕事をすることは、自分のステージを引き上げてもらえる。だから今の目標は1年でも長く、ビッグクラブのレアルでプレーすることなんだ。

 昨季チームはリーグ2位に終わったが、ハメスは29試合13点。期待にたがわぬ活躍でレアルにとって欠かせない選手となった。

 ハメス でもサッカーの世界では何が起きるか分からない。将来的に日本でプレーする可能性も「ない」とはまったく言えない。僕の方はいつでもオープンマインドだよ。日本からのオファーがあれば考えるし、機会があるかもしれない。

 あくまで何年も先の話。リップサービスもあるだろう。だがW杯で対戦した日本への興味、短時間ながら浅草などの観光名所を回った前日8日の経験がハメスを親日家にしていた。

 ハメス W杯でも日本は良いプレーをしていた。みんなが言うほど差があるとは思えなかったよ。僕が言うのはおこがましいけど、1人1人は良い選手が多かった。ただ大きな目標を達成するために一番大切なのはチームワーク。個々にプレーするより一丸となって戦うことが大事だと思う。

 日本の選手たちが課題として挙げていた「個の力」は十分にあるという。あとはチームとしてどう表現するかを指摘した。そして話は子供の育成にも及んだ。どうすればハメスのようになれるのか。

 ハメス 練習の仕方というより、僕は「あの選手みたいになりたい」とか、憧れと夢を強く持って練習をしてきた。僕の場合はバルデラマだね。代表の10番だから、一生をかけてああいう選手になりたいと思っていた。

 インタビューの最後に、サッカー選手も人間性が大事だと強調した。父親からは「選手である前に1人の人間だ」と、感謝の気持ちをたたき込まれて育った。

 ハメス 家族にはいつも感謝している。僕は普段、サッカー以外のことをあまり気にしていない。自分の好きなようにやらせてもらい、スポーツだけに専念させてもらっているからね。

 何に対しても誠実に取り組む姿勢で、あと何年もレアルを、そしてその後は日本のクラブを!? けん引してくれるに違いない。【取材・構成=千葉修宏】

 ◆ロドリゲスのW杯ブラジル大会日本戦VTR コロンビアは14年6月24日、1次リーグ第3戦で日本と対戦した。第2戦で決勝トーナメント進出を決めていたことから、先発にロドリゲスら主力8人を温存した。ロドリゲスは1-1の後半開始から出場。後半10分に左から中央へドリブルで持ち込み、DF3人を引きつけてFWマルティネスの得点をアシスト。同37分にもマルティネスの2点目をアシストした。さらに、終了間際には、ドリブルでDF吉田の逆を突き、飛び出してきたGK川島をあざ笑うかのような左足ループシュートでゴールに流し込んだ。