マインツの日本代表FW武藤嘉紀(23)がアウェーのダルムシュタット戦で1アシストを記録し、勝利に貢献した。ワントップで先発し、1-0の前半24分にチーム2点目を正確なパスから演出。後半19分には強引な突破からシュートし、そのこぼれ球が決勝点につながった。武藤は後半38分に退いた。

 武藤の強引な突破が決勝点につながった。MFマリのパスをペナルティーエリア内中央で受けると、鋭くターンしてワンタッチで前へ抜ける。相手DFに体をぶつけられながらも、持ちこたえて右足シュート。飛びだしてきたGKに体ごとはじかれてしまうが、こぼれ球をMFデブラシスが右足で押し込んだ。「あそこで決められればベストでしたけど、それがゴールにつながったし、勝ったんで良しとして」。その一方で「自分は得点がほしいなと思います」と本音も漏らした。

 2部から昇格してきたダルムシュタットは、激しい守りが持ち味。武藤も相手選手に足を踏まれるなど終始、手荒いプレーを受けた。それでも「挑発してくるけど、それに乗るなって言われていた。イライラせず1回のチャンスを狙ったり、最後までうまくいかなくてもやろうという意図が、得点につながったと思う」とどこまでも冷静だった。【中野吉之伴通信員】