日本代表のFW本田圭佑(30)が、ACミラン残留を表明した。W杯アジア最終予選UAE戦(9月1日)に向け、29日に帰国して代表合宿に合流。ACミランでは、セリエA開幕トリノ戦(21日)から2戦連続出番なし。苦境に立たされているが、今夏の移籍について「なさそうやね」と明言。出場したW杯予選は6戦連発中で、日本代表で鬱憤(うっぷん)を晴らす。

 ACミランで本田が置かれた立場は厳しい。リーグ戦で2戦連続出番がないまま帰国。最後に出場したのは14日の練習試合フライブルク戦が最後だ。UAE戦は試合感覚を失ったまま、約半月ぶりの実戦になる。ミランでの現状を、自らこう明かした。

 「今までの序列で何か状況が変わったかと言うと、僕が契約満了に向かっている選手の扱いになっている。(評価が)低い。もう少しアプローチの仕方を変えないと(試合に)出られない感じがする。イタリア語でコミュニケーションが取れないんでね。僕から(モンテッラ監督に)寄っていくことはないので」

 これまで経験のない不遇の時を迎えても、本田は今夏の移籍を否定した。契約は来年6月まで。欧州ではプレミアの数クラブが獲得に乗り出しているとの報道が出ているが、31日に締め切られる今夏の移籍については「なさそうやね」と話し、事実上の残留を表明した。6月のキリン杯期間中には「(今夏に)出て行く可能性はある」と退団を示唆。移籍を選択肢に入れながら、実現しなかった。

 鬱憤は代表で晴らすしかない。出場したW杯予選は6戦連発中。UAEは昨年1月23日のアジア杯準々決勝で、本田と香川がPK戦を外して敗退した因縁の相手になる。

 「得点に絡む働きをしたい。勢いが大事。いい雰囲気で初戦を乗り切りたい」

 日本のエースとしての誇りは、結果で証明するしかない。【益子浩一】