フランス1部メッスに所属する日本代表GK川島永嗣(34)が31日、自身のブログで「ロッカールームに戻っても涙が止まりませんでした」などと心境を明かした。

 川島は23日に行われたW杯アジア最終予選UAE戦後について「バカみたいな話ですが、UAE戦が終わった後は、ロッカールームに戻っても涙が止まりませんでした」とつづり、日本代表では16年6月3日のキリン杯ブルガリア戦以来となった出場に感極まったことを明かした。

 その背景には所属クラブでの苦しい日々があったことも記している。14-15年シーズンまで所属していたベルギー1部スタンダールを退団後、半年間無所属生活が続いた。昨季はスコットランド1部ダンディーUに半年間所属。今季からフランス1部メッスに“第3GK”という立場で加入した川島は、立場通りチームでの序列はベンチ入りするかしないかの状況が続いた。リーグ戦での出場は0試合、公式戦でもフランスリーグ杯の1試合にとどまっている。「昨シーズンは半年チームがなく、今シーズンもFC Metzと契約してから、1月のカップ戦まで試合に出ることができず、その後も試合に出ることはできていませんでした」と吐露した。

 3月20日に34歳となったベテランは「とにかく、自分が積み重ねていることを全力で出そう。そう思ってピッチに立ちました」と試合前の心境を明かし、「試合が終わった後、いろんな想いが湧き上がってきました。試合に出られない日々、選手として表現する場所のないストレス、迷いを振り切り信じ続けること。うまくいかない時でも信じ続けてくれる人たちのために、いつも応援してくれる人たちのために、そしてすべてを分かち合ってくれている家族のために。多分、この涙は死ぬまで忘れない涙だと思います」と記した。

 最後に「そしてまた、こちらでの勝負の日々が始まります。うまくいかない時もあるだろうし、辛いこともある。でも、その影には必ずそれ以上に値する価値のある種が隠れていると信じて、自分の道を信じて突き進んでいきたいと思います」と締めくくった。