MF小林祐希が所属するヘーレンフェインは、ホームでウィレム2を1-0で下した。小林は左インサイドハーフで先発。積極的に相手バイタルエリアに進入し、前半だけで3本のシュートを放った。後半は動きが乏しくボールに触る回数も減り、後半41分に退いた。

 以下、小林との一問一答

 -今日の勝ちでプレーオフに近づきました

 「できるだけ高い順位で(プレーオフに)行きたい。フィテッセ、AZ、トウェンテあたりがコケて、うちが3連勝すれば1個でも順位が上になる。リーグで最後に何位で終わったかということにも、こだわってやりたいと思います」

 -前半は、楽しませてもらいました

 「後半はねえ(ため息)。前半みたいに元気があって、ボールを良い角度で、良いタイミングで受けに来る選手が多いと、俺の良さが引き立つんですよ。だけどみんな、疲れてきてボールから逃げ出すと俺の良さが引き出されないというか。『なんだよ、いないのかよ』というのが増えちゃう。後半は相手がボコボコ蹴ってきたというのもある。まあ、途中で代えられたのは悔しいですね。最後までやりたかったというのが本音です」。

 -1本目のシュート、ブレ球を狙ったんですか?

 「そうです。雨でグランドがスリップするし、キーパーの手元でバウンドすればいいなと思って。最初はパス(コース)も2つぐらい見えたんです。スタイン(スハールス)もスーッと上がっていたから『どこを使おうかなあ』と思ったけれど、前にめっちゃスペースが空いてると思った。だから、最初はそこまでシュートのイメージではなかったですけれど、ファーストタッチが良かったし、フリーだったし、時間も早かったのでシュートを打っておこうかなと思いました」。

 -2本目がボレー

 「あれは変にコントロールするよりも、シュートで終わったほうが良いというのと、こぼれ球なんでカウンターで逆襲を食らうのも怖いから、シュートで終わると。今日は全てのプレーをシュートで終わりたかった。前半は、俺だけに限らず全員チームとして、それが出来た。(シュートで終われば)相手がゴールキックをセットした状態で守備を出来るから、相手がボールを蹴ってきても、ちゃんと自分たちが陣形を作れているので、そんなに怖いシーンも無かったと思います」

 -3本目は左足アウトフロントでポーンと

 「もうちょい枠に行けばいいかなと思います。後半が課題ですね。疲れてきているというのもある。体がというよりも、心と頭の部分でもっとフレッシュにというか、スマートにというか、整理しながら(やりたい)。仲間がここに動かないなと感じているんだったら、もうちょっと自分のポジションを変えたり。空いてるところで、良いところで受けてあげようという意識が強すぎて、逆に孤立しちゃっている時とかもあるんですよ。みんなが集結していて、左サイドが空いていて、そこに開いてあげても、受ける時に孤立していて、相手のDF2枚に対して俺しかいないとか。そこで俺が左サイドバックにボールを下げようとしても、『俺に出さないで』みたいな感じで出てこないとか。そうなると1人で何かしないといけなくなっちゃうので、それだったら開きすぎずに少し内側にいて、(味方を)上がらせる方が良いのかな。頭を使えば、自分のウイークな部分を隠しながら、味方のストロングを使うことが出来るかなと思います。そこを思いましたね。残り2試合で試せればいいと思います」。

 -小林選手は左のインサイドハーフですが、アンカーの選手にボールを下げると、すぐに右に動いて受けてました。ラインに張ることもありました

 「センターバックの間に落ちても良いですし。前半はよくやったんですよ。センターバックの間に落ちたり、右サイドの方に開いたり。でも、後半はやらなかったんですよね。そしたら、やっぱりこういう(流れの悪い)ゲームになってしまった。なぜ後半それをやらなかったかというと『マンツーマンで相手の6番の選手(オヨ)に付け』と言われたので。相手がメンバー交代してから、よりそうなってしまいました。でも、今日は勝ったし、監督はごきげんでしたね。なぜ自分が代えられたかは聞きますけれど」。

 -前半と後半の差はシステムの変更によるものだと思ってました。前半は右サイドにウーデゴー選手がいて4-5-1でポジションチェンジが多かった。後半途中、ウーデゴー選手が負傷交代して、両サイドにウイングをはっきり置く4-3-3になりました

 「マルティン(ウーデゴー)がいなくなっちゃうとキツイというのは、ありますよね。でも同じ相手に2回負けないというのは大事ですから。ホームで2連勝しましたし、ホームでは強いなというのを感じましたね。いつもホームの前半はすごいやりやすい」。

 -小林選手も疲労がたまってるでしょう

 「それを言い訳にしたくはない。残りも少ないし。もし自分がビッグクラブにいったら、このぐらい(小林本人が休みなくこなした1年半)の試合数を1年でこなしますんで。リカバリーのシステムとか、もっと充実してるとは思うけれど。もうワンステージ上がれば、俺の良さがもっと引き出されるんで、そういうクラブで戦いたい。そのためには、ここで何かを残さないといけないから、今日の前半の1本目みたいなシュート。ああいうのしか、わかんないと思うんでね。細かいところは玄人しかわからない。でも、玄人にわかってもらって、使ってもらえるというのは大事なとこなんで、それにプラスして30メートル離れていてもシュートをドカンと撃つとか、それが枠に入れば魅せていけると思うんで、うまく魅せていけたらなと思います」

 -プレーオフでチームを欧州リーグに導くような玄人の働きをすれば、それはわかりやすい

 「俺はカンテほどのつぶし屋ではないけれど、つぶすというところ以外でポジショニングだったり、帰るところでしっかり帰ったり、それでもカウンターのところで出ていけたり、味方がいつミスしてもいいようなポジションを常にとっていたり、そういう選手は重宝されると思う。それは、どのチームでもそうですよね。ビッグクラブになればなるほど、そういう選手が1人はいてかじを執っている。チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグを見ていて、すごく思いますね」。

 -それは先週、アヤックスとやった時も感じましたか?

 「アヤックスは、若い選手がこのリーグだとみんなできるからね。昨日(欧州リーグ準々決勝第2戦シャルケ戦)見てもすごいじゃん。10人になってからも同じようにやるし。キレないというか、止まらないというか。若いから『チッ、何だよ』というのがないんですよね。

 -若いから崩れるのでは?

 「いや、自分が伝統あるチームで、スタンドにすごい人たちが見ている中、17歳の選手がパスしてリターンが帰ってこなかったら『ふざけるなよ』って歩いて帰れますか? それはできないでしょう。アヤックスの選手はそれをやらない。ミスったらすぐ帰るとか、誰かが奪ったらすぐに出ていく。そういうのを感じましたね。今日も相手がウィレム2だから勝ったけれどって、俺、思っちゃうんですよ。そういう風に思っておいたほうが、自分の成長につながると思います」。

 -これから2週間プチブレークです。次はズウォレが相手。サム・ラーション選手は「人工芝でやりづらい」と言ってました

 「ズウォレとNECですよね。俺は相手がどこでも別に。グランドがどこでもやることは変わりませんので。今日は良くなかったけれど戦ったという感想ですかね(苦笑)。良くなくても勝つというのが大事だと思います。頑張ります」。