クロアチア代表からニコラ・カリニッチ(30=ACミラン)が“追放”された。16日の1次リーグD組のナイジェリア戦で途中出場を拒否したため、強制帰国となった。18日にダリッチ監督が明かした。

 N・カリニッチはナイジェリア戦でベンチスタート、後半にはウオーミングアップをしたが、同監督が途中出場を命じると、背中の状態がよくないことを理由にプレーを拒否した。ダリッチ監督によると、3日の親善試合ブラジル戦や17日の練習前にも同様のことがあったという。「私はそれを黙って受け入れた。私は選手に体調を整え、プレーできる状態であることを求めている。だから決断した」。スタッフと相談して、チームを離脱させた。事実上の追放だった。

 選手の入れ替えはできないため、クロアチアは残りの試合を22人で戦うことになった。

 N・カリニッチは同代表通算42試合出場で15ゴールを決め、今回のW杯欧州予選では3得点も、最近は先発の座をマンジュキッチやクラマリッチに譲っていた。クロアチアはナイジェリア戦で2-0で勝利。地元メディアによると、ダリッチ監督は後半40分に3枚目のカードとしてN・カリニッチを投入したかったが、結局ピアカを出すことになったという。

 W杯には毎回“お騒がせ男”が誕生するが、N・カリニッチが今大会の「第1号」となった。

 

 W杯期間中の主な追放

 ◆さよなら神の子 アルゼンチンの英雄マラドーナが、94年米国大会のドーピング検査で興奮剤の使用が認められ追放処分に。大黒柱を失ったチームも失速して3大会連続決勝進出どころかベスト16で敗退。

 ◆野獣噛みつき ウルグアイの点取り屋スアレスは14年ブラジル大会のイタリア戦で相手DFの肩に噛みつき。FIFAから公式戦9試合の出場停止とスタジアムへの入場禁止などの処分を受け、追放された。

 ◆××××で追放 ドイツMFエッフェンベルクは94年米国大会の試合中、ブーイングするサポーターを右手の中指を突き立てて挑発。激怒したフォクツ監督から交代を命じられ、チームからも追放された。

 ◆朝帰りで帰国 南アフリカFWオーガスチンは98年フランス大会中に遊び回って朝帰り。激怒した当時のトルシエ監督から追放を命じられて帰国した。

 ◆謝罪もきかず コロンビアFWアスプリージャが98年フランス大会中のインタビューでゴメス監督の采配を批判。チームからの追放を命じられた後で謝罪したが、受け入れられず。