開幕から約半月が過ぎたイングランド・プレミアリーグで、マンチェスターCが「台風の目」になっている。アラブの大富豪によるクラブ買収が今月1日に合意すると、すぐにブラジル代表FWのロビーニョを英国史上最高額の移籍金3250万ポンド(約63億円)で獲得。来年1月の移籍市場解禁時には、マンチェスターUから世界的スターに成長したMFのC・ロナウドを引き抜くとの観測が流れている。

 ロビーニョ獲得の衝撃は法外な移籍金だけではない。Rマドリード(スペイン)退団を望んだ同選手には、チェルシーが触手を伸ばし、移籍は確実とみられていた。チェルシーはロシアの富豪オーナー、アブラモビッチ氏の資金力で有力選手をかき集めてきたが、立場が逆転した感がある。3日付の英デーリー・テレグラフ紙は「勢力図は塗り替えられた」と報じた。

 アラブ首長国連邦(UAE)の投資開発会社を率いるファヒム氏は、今後少なくとも18選手を加えて戦力補強を図ると同紙に語る。C・ロナウド獲得には1億3500万ポンド(約260億円)を費やす用意があるといい、潤沢なオイルマネーを投じ「われわれは世界最強のクラブになるつもりだ」と野望を描いている。