<ブンデスリーガ:フランクフルト3-3ドルトムント>◇25日◇フランクルト

 フランクフルトMF乾貴士の勢いが止まらない。今季昇格し、前節まで開幕4連勝と快進撃のフランクフルトは昨季王者のドルトムントのお株を奪う攻撃サッカーで大善戦。本拠地に迎えた強豪から貴重な勝ち点1を奪った立役者の1人となった。

 1-2の後半6分、ゴール前にフリーで駆け上がると「いいボールが来た」と右MFアイクナーの絶妙な右クロスを頭で合わせた。「人生初」というヘディングでのゴールに雄たけびを上げながらガッツポーズし、チームメートと喜び合った。

 前半を0-2で折り返した窮地のチームに、勢いを吹き込んだ。ハーフタイムに「(フェー)監督からげきが飛んだ。それでみんなも吹っ切れて、諦めなかった」と言う。後半4分に中央をドリブルで突進するとアイクナーにタイミング良くパスを送り、反撃の口火を切る一発を呼び込んだ。

 守備的MFのローデと並ぶチーム最長距離の11・71キロを走り「本当にばてた」と笑う。「決勝点を入れたかった。でも、チームとして負けなかったのは大きい」と心地よい疲労感に浸った。フェー監督は「乾は今日も実力を見せてくれた。ボールを持っていてもすごいスピードがあるから、敵にとっては本当に嫌な存在だろう」と背番号8の働きを絶賛した。