<国際親善試合:ブラジル1-0スウェーデン>◇26日◇ロンドン

 ブラジル期待の新星、FWアレシャンドレ・パット(18=ACミラン)が代表デビュー戦でゴールを奪い、スウェーデンを1-0で破った。途中出場からわずか11分後の後半27分。右コーナー付近へ猛然とダッシュし、相手GKのクリアボールをカット。角度のない位置から、左足で25メートル以上も先のゴールネットを揺らした。どよめくスタンドを前に、いつものように手でハートマークをつくり、はにかんだ。

 敵将ラーゲルベック監督も「非の打ちどころのない、完ぺきなプレーだった。少しの幸運もあったに違いないが」とうなった。2月6日のアイルランド戦に初招集されたが、左足首の負傷で欠場。満を持してのデビュー戦で、天才の片りんを見せつけた。一方でドゥンガ監督は「大げさに言うのはよそう。彼は恐るべき才能の持ち主だが、代表で40試合を戦った後に(価値を)判断しよう」と、あえて「親心」を強調した。

 ちょうど50年前の58年W杯決勝で戦った両チームを記念し、行われた親善試合。当時17歳のペレが2得点し、世界中の注目を浴びた。くしくも半世紀の時を越え、現れた10代ストライカー。18歳の神童パットが、最高の1発で世界への「襲名披露」を終えた。