<プレミアリーグ:マンチェスターU2-0ウィガン>◇最終節◇11日◇ウィガン

 マンチェスターUがアウェーでウィガンを2-0で下し、2季連続17度目のプレミア王者に輝いた。MFクリスティアーノ・ロナウド(23)のPKで先制し、後半にライアン・ギグス(34)のゴールで突き放した。2位チェルシーがボルトンと土壇場の失点で1-1と引き分けたため、勝ち点2差で振り切った。近年では珍しいデッドヒートを制したマンUは、21日の欧州チャンピオンズリーグ決勝で2冠をかけ、再び宿敵チェルシーと対決する。

 均衡を破ったのは「赤い悪魔」のシンボル、C・ロナウドだった。前半33分、ルーニーが倒されて得たPK。突然降り出した雨に足元を乱されることなく、右足インサイドでゴール右へ確実に蹴り込んだ。両こぶしを強く握りしめて、勝利を確信したように雄たけびを上げ、そしてスタンドに投げキスまでしてみせた。最終戦の主役の座もこの男のものだった。

 後半4分にはゴールまで約25メートルの距離から強烈なFKを放ったが、GKにセーブされる。同9分にはCKからヘディングシュート。今季プレミアのピッチを全速力で駆け抜けた男は、最後の最後までチームの切り札となり続けた。そして終了のホイッスル。それまでの厳しい表情が一気に緩み、仲間たちと抱き合い喜んだ。自らの力でつかみ取った栄冠に言葉が弾んだ。

 C・ロナウド

 ものすごいプレッシャーの中での戦いだった。でも我々は最後まで自分たちの力を信じて戦った。プレミアリーグにふさわしい最後だった。PKは自信があった。これを入れれば勝てると思った。自分のため、チームのため決められてよかった。

 昨季リーグ17得点から、今季は倍増ともいえる31得点。ファーガソン監督の指導のもとストライカーとして才能も開花させた。それでもC・ロナウドは「僕だけの仕事じゃない。味方がいいパスをくれ、僕が決めただけのこと。我々マンUはプレミア最高のチームなんだ」。若手とベテランが融合した今季、マンUは「史上最強」の呼び声が高い。実際、勝負を決めた2点目は、この日クラブタイ記録となる通算758試合目を迎えた34歳ギグスによってもたらされた。

 プレミアリーグ連覇を手に、次は21日の欧州CL決勝でチェルシーとの第2ラウンドを戦う。10度目のリーグ優勝を手にしたギグスは「今は優勝の喜びに浸りたい。そして10日後、もう1つのメダルを手にしたい」。王者は今季2冠に視線を切り替えていた。