<セリエA:ユベントス1-1カターニャ>◇24日◇トリノ

 カターニャFW森本貴幸(20)が、ユベントスの壁にはね返された。公式戦3試合連続の先発出場も、シュート1本も打てぬまま、後半15分に途中交代となった。試合は1点リードされたカターニャがFWプラスマーティのゴールで1-1のドローに持ち込んだ。ACミランはFWパットの快勝ゴールでレジーナに2-1と競り勝ち、今季初の連勝となった。(波平千種通信員)

 セリエA最多27回の名門の壁は、高く厚かった。森本は3トップの真ん中でプレーしたが、ユベントスの誇る屈強な両センターバック、186センチのキエッリーニ、185センチのレグロッタリエに完全に抑え込まれた。フィジカルで圧倒されてボールキープがままならず、シュートはおろか、攻撃の起点にもなれなかった。20歳の若者は、あらためて泥臭いイタリアサッカーの洗礼を浴びてしまった。

 それでもゼンガ監督は「プラスマーティ、森本、パオルッチがいることはチームに有利なんだ。彼らが競い合い、集中力を保っている」と好結果を分析する。そもそもベンチスタートが予想されたが、ふたを開ければ名門ユベントス相手に先発起用。「彼もサッカー選手なんだから、ビッグクラブ相手に大きなスタジアムで起用するのは当たり前だ」(同監督)。森本は大きな壁と向き合い、着実に成長の歩みを進めている。