<セリエA:カターニャ3-2ローマ>◇21日◇カターニャ

 カターニャFW森本貴幸(20)が、セリエA初の1試合2得点を決めた。ホームでのローマ戦に先発出場。まずは1-0の前半40分、スルーパスにうまく飛び出し、左足シュート。07年8月26日パルマ戦以来、483日ぶりのリーグ戦ゴールを決めた。さらに2-0の後半21分、ゴール近くに弾んだこぼれ球に反応し、GKの頭上を破るループ弾を流し込んだ。

 同26分にはクロスバーをかすめるヘディングシュート。もう少しでハットトリックという場面もつくった。3-2の同41分に交代。追撃を焦るローマDFメクセスに、しつこく退場をせかされると、胸を小突いて反撃。名門ローマの世界クラスの選手を相手にしても、最後まで気後れした様子を見せなかった。

 試合後のインタビューではイタリア語で「2点もうれしいけど、それ以上にチームが勝てたことが満足」とうなずいた。聞き手から「プレーは10点満点で8点だけど、イタリア語は4点だね」と突っ込まれると、苦笑しながら「イタリア語も頑張ります」と誓った。

 最近3試合は出場機会に恵まれず、ゼンガ監督からはレンタル移籍もほのめかされていた。だがこの日は見違えるようなパフォーマンス。かつて「日出づる国のロナウド」と称された才能を再確認させた。(猪野真美子通信員)

 [2008年12月22日8時38分

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