<セリエA:ボローニャ3-1カターニャ>◇5月31日◇ボローニャ

 【ボローニャ(イタリア)=波平千種通信員】カターニャFW森本貴幸(21)が、今季最終節ボローニャ戦で3試合連続のゴールを決めた。2点リードされた後半5分、相手GKがはじいたボールを拾い、右足シュートを突き刺した。試合は1-3で敗れたが、セリエAで日本人選手の3試合連続ゴールは02-03年のレジーナMF中村俊輔以来2人目。今季ゴール数を7に伸ばし、イタリア移籍3シーズン目で森本が才能を開花させた。

 森本の鋭い嗅覚(きゅうかく)が働いた。後半5分、DFシルベストレのシュートをGKがはじいた。そのこぼれ球をエリア内右で拾うと、右足を振り抜いた。ボールはゴールネット上部に突き刺さった。今季リーグ23試合で7得点目。FWマスカラの12点に次ぐゴール数で3年目のイタリアを締めくくった。

 昨年12月21日のローマ戦で2ゴールを奪い、快進撃が始まった。ユベントスGKブフォンの牙城を崩し、パレルモ、ナポリなど名門から次々とゴールを挙げた。今季の飛躍について本人は「毎試合、出続けることで相手選手との当たりに慣れた。相手の嫌がるところを意識している」。ミランFWインザーギの動き方を参考に、ゴール前のポジショニングを改善。「カテナチオ(イタリア語でかぎ)」と表現されるイタリア伝統の守備力にもまれ、才能に磨きをかけた。

 カターニャのプルビレンティ会長は「来季のウチは森本にかける。彼には12ゴールを期待したい」と断言する。ダイヤの原石だった少年が、故障などの紆余(うよ)曲折を経て、大きな輝きを放ち始めた。

 [2009年6月1日8時20分

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