エスパニョールMF中村俊輔(31)が、クラブでのレギュラー再奪取を誓った。チームのクリスマス休暇を利用し、22日に帰国。20日のアルメリア戦で出場機会がなく「いろいろ考える」と話し、移籍もほのめかしたと受け取られた。だがこの日成田空港で「え?

 そういうことじゃないよ!」と驚いた表情をみせた。

 「試合に出るために、どうしたらいいかを考えなくちゃいけないという意味」。堅守・速攻を掲げ、細かいパス交換を省略するチームにあって、リーグ戦2試合連続の出場機会なし。「おれはすげえ焦ってる感じ」と悩んだが、コーチ陣からは「今はモナコでリーグ得点王のネネも、昨季はうちのチームになじむのに苦労していた」と諭されたという。

 MFネネは終盤の3カ月でようやく本領を発揮。ネネのゴール連発で降格寸前のチームも浮上し、ラスト10戦8勝1分け1敗の勝ち点荒稼ぎで、一気に10位にまで順位を上げた。首脳陣は「救世主」と呼ばれ、惜しまれてレンタル元に戻ったネネと中村を重ね合わせて、後半戦の爆発を待っている。

 中村も「挽回(ばんかい)じゃないけど、もっと試行錯誤する」と表情を引き締めた。「セルティックでは4年間うまくいっていたから、いろいろ悩むのもいい経験。W杯前に試合勘をなくすとか心配もされるけど、オレはまだいっぱいいっぱいじゃない」。27日に離日、28日の練習からクラブに再合流する。【塩畑大輔】

 [2009年12月23日8時59分

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