スペインのエースFWビジャを擁する名門バレンシアが、日本に進出することが分かった。C大阪ユース前監督の中谷吉男氏(39)を代表に「バレンシア・ジャパン・フットボールスクール」を5月11日に開校。兵庫県内に2拠点(神戸、播磨)を置き、小学2~4年生の指導から始める。既に仮契約を終え、3日に現地で正式契約を結ぶ。

 ビジネスチャンスを模索するバレンシア側と中谷氏の思惑が合致した。昨夏の日本クラブ選手権でC大阪を優勝に導いた中谷氏だが、日本サッカーの育成現状を「縄張り意識が強く、選手を植木鉢に囲っている。全体の発展につながっていない」と指摘。スペイン1部リーグ監督資格の「レベル3」を持ち、マジョルカ、ヘタフェのコーチを務めた経験から「吸収力のある年代でいいタネをつくり、スペインという豊かな土壌にまきたい」と考えた。

 「素質のある子はスペインへの道が開ける」と中谷氏。3月15日から生徒を募集する。1クラス最大15人の少人数制を採用し、応募者多数の場合はセレクションで選考。コーチングスタッフは未定だが、公式スクールだけにバレンシアからの派遣が見込まれている。

 [2010年3月3日9時9分

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