日本代表DF内田篤人(22)の加入したブンデスリーガ1部シャルケに、「スペインの至宝」ラウル・ゴンサレス(33=RマドリードFW)が移籍する可能性が高まった。ドイツ紙ビルトが「既に契約書にサインした」と報じれば、マガト監督も一部メディアに「ここ数日のうちに決まるだろう」と明言した。今季の欧州チャンピオンズリーグで上位進出を狙うチームにあって、内田のクロスからラウルが得点する「必殺パターン」にも期待がかかる。(中野吉之伴通信員)

 スペインの巨星が新天地にドイツを選ぶ可能性が高まってきた。22日付のビルト紙は、ラウルのシャルケ入りを報じた。報道によると、ラウルは年俸600万ユーロ(約6億6000万円)の2年契約でサイン。来年6月まで契約の残るレアル側とも既に自由契約扱いにするという文書を交わしており、個人スポンサーの問題が片付けば、正式発表できる状況だという。

 そんな情報を後押しするように、マガト監督もラウルの加入を一部メディアに認めた。

 マガト監督

 ラウルはシャルケへの興味を示している。彼が加入することを確信している。ここ数日のうちに決まるだろう。

 ラウルはレアルのエースとして15年も君臨し、550試合で228得点。スペイン代表でも最多44得点(102試合)を挙げている。昨季はC・ロナウド、カカらの大型補強もあって控えに甘んじたが、33歳の現在も非凡な得点感覚に衰えはない。イングランドからのオファーもあったが、欧州CLに参戦するシャルケ入りで、気持ちは固まったようだ。

 こうなれば注目されるのが、内田との新加入コンビだ。マガト監督が評価するように、内田は頭脳的なオーバーラップと正確なクロスボールを持ち味とする。そこへゴール前で巧みなポジション取りを見せるラウルが加われば、まさに「鬼に金棒」。シャルケにとっては、攻撃の必殺パターンが確立されることになる。内田からラウルへ-。「夢のコラボ」が現実となりそうだ。

 [2010年7月23日7時49分

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