絶好調男の大津が、今度は香川からお株を奪う!?

 ロンドン五輪アジア最終予選シリア戦(27日、国立)で決勝ゴールを決めたU-22日本代表のFW大津祐樹(21=ボルシアMG)が28日、所属クラブに戻るためドイツへ出発した。来月3日には日本代表MF香川真司(22)が所属する首位ドルトムントとの頂上決戦が控える。クラブはエースFWが故障離脱しており、大津に出番が巡ってくる可能性は十分。直接対決でブンデスリーガでも存在感をアピールする。

 大津が再び決戦の地へ飛び立った。五輪世代でレギュラーに定着。22日のバーレーン戦では右足で先制点。前日27日のシリア戦では頭で決勝弾を決め、国立を歓喜の渦に変えた。五輪アジア最終予選で日本をグループ首位に浮上させた立役者は、「ブンデスリーガで初ゴールを決めたい」と、早くも目標を切り替えた。

 すぐに大一番がある。現在、所属するボルシアMGはリーグ2位で、次節の12月3日は首位ドルトムントとの頂上対決。ザックジャパンの主力で、1歳年上の香川との初対決が実現するチャンスだ。「香川さんはドイツで成功してるので、すごく刺激になっている。対戦できるのはうれしい」。デュッセルドルフ市内で食事をする仲で、生活面のアドバイスも受ける。目標の存在の前で、欧州初ゴールを決めてみせる。

 大津の公式戦出場はリーグとドイツ杯の各1試合ずつだが、チャンスはある。リーグ4位の10得点を挙げている主力マルコ・ロイス(22)が25日のケルン戦で左足小指を骨折し、ドルトムント戦は欠場濃厚。同じポジションの大津の五輪予選での活躍を、首脳陣も高く評価しているはずで、ロイスに代わる得点源として出番が巡ってくる可能性は十分にある。

 くしくも12月3日は、今夏まで所属したJ1柏が初優勝をかけて浦和とのリーグ最終戦に臨む。この日の出発前には、柏市内のクラブハウスを訪れ、元同僚たちと健闘を誓い合った。「みんな全力で戦う気持ちでいた。本当に優勝してもらいたい」。古巣の快進撃も背に、香川をアッと言わせてみせる。【由本裕貴】