日本代表前監督の岡田武史監督(55)率いる中国スーパーリーグ杭州緑城が、2月25日に大宮とNACKでプレシーズンマッチを行うことが13日、分かった。チームは2月上旬に来日し、九州などで合宿を実施する。その総仕上げとして大宮と対戦。岡田監督の指導の成果を日本のファンにお披露目することになる。チームはその後中国に戻り、3月10日の開幕戦に備える。

 岡ちゃんが帰ってくる。対戦相手を探していた杭州緑城が、大宮とのプレシーズンマッチ実施に合意した。すでにJ事務局にも有料試合として申請して承認されており、12日に東京・文京区のJFAハウスで行われた日本協会の理事会で報告された。

 岡田監督率いる杭州緑城は現在、中国・昆明で合宿中で、2月初めに来日し、約3週間の長期合宿を予定している。実戦でのチーム強化を重視する同監督は「日本では多くの試合を入れたい。日本でチームを仕上げて中国に戻りたい」と話していた。来日中は九州でも合宿する予定で、同時期に九州でキャンプを張るJ各チームとの練習試合も複数入れている。その総仕上げが、大宮戦となる。

 岡田監督は、日本代表の指揮を執った一昨年夏のW杯南アフリカ大会後、現場から離れた。中国挑戦を決めるまでには、複数の国内外のクラブから監督就任のオファーをもらっていた。しかしそれらを受けることはなく、コーチ業以外の活動にいそしんでいた。今回、日本人指導者として初めて中国チームを率いること、さらに名将が1年半ぶりに現場復帰することで、サッカーファンの注目の的となっている。岡田監督としても下手な試合は見せられない。

 中国行きを決めた直後に開いた会見では「このチームは中国チャンピオンとか、ACLとか、高い目標を持っている。みなさん、笑うかもしれないけれど、バルセロナに勝つことだって夢ではない」と話していた。大宮戦まで約1カ月半。それまでに中国を制し、アジアの頂点に立って、世界一クラブを破るチームの基礎を作れるか。日中のファン双方に見逃せない一戦となりそうだ。