<練習試合:杭州緑城3-2清水>◇10日◇静岡市内

 中国スーパーリーグ杭州緑城の岡田武史監督(55)が、日本逆上陸初戦を白星で飾った。4-2-3-1の布陣を敷き、中国サッカー界で多いロングボール主体のスタイルを、細かいパスサッカーに変える「岡田イズム」が、本格指導開始からわずか1カ月で浸透。3月10日のリーグ開幕に向け、弾みとなる1勝を挙げた。

 逆上陸した日本で確実に1歩を踏み出した。格上とみられた清水から奪った白星。それでも、岡田監督は「1本目は若手が緊張してしまっていた。2本目に入りだいぶやれるようになった。ただ、内容的にはもっとレベルを上げていかないと」と冷静に振り返った。

 2本目の10分に先制されたが、同19分のFW謝志宇の同点弾から一気に3得点を挙げた。日本では残り7試合が予定されているが「相手の力が上がると自分たちの現時点での力が分かる。日本合宿で自分たちの状況をつかみたい」と順調なチームづくりへの手応えを示した。

 「勝ち負けよりもチャレンジする姿勢を見せよう!」。試合前の指揮官のげきを選手が体現した。昨季まで苦しくなると前線に工夫なく放り込むことに終始したチームは、清水のプレスを食らっても細かくパスを回すことに挑戦。ミスも出たが「岡田イズム」の浸透が垣間見られた。

 昆明合宿中のミーティングでリーグ優勝を目標に掲げたが、選手たちには昨季優勝の広州恒大などの資金豊富な強豪への劣等感が残る。「今はコンプレックスを一掃するのが大事。選手は広州みたいにお金のあるところが強いと思い込んでいる。実力は変わらないと言っているんだけどね」。この日の勝利は自信構築への糧になるはずだ。

 布陣は日本代表時代に採用していた4-2-3-1。「なでしこブームで(自分は)忘れられていると思ったのに、まだ覚えている人がいるんだなあ」と、らしい発言も飛び出した。3月10日の開幕青島中能戦に向け、着実に岡田色に染めていく。【菅家大輔】