<国際親善試合:スイス5-3ドイツ>◇26日

 欧州選手権を控えた各国が、調整のための親善試合を行った。優勝候補の一角ドイツはアウェーでスイスと対戦。チェルシーとの欧州チャンピオンズリーグ決勝を戦うなど、過密日程となっていたBミュンヘン勢はベンチ入りしなかったとはいえ、クローゼ(ラツィオ)やゲッツェ(ドルトムント)、エジル(Rマドリード)らを擁しながら、8年ぶりの5失点大敗を喫した。

 Bミュンヘン勢を起用せず、若手選手の見極めを念頭に置いた一戦とはいえ、ドイツがとんだ赤っ恥をかいた。後半5分までにスイスFWデルディヨク(レーバークーゼン)にハットトリックを献上。ドイツはDFフンメルス(ドルトムント)や、来季からドルトムントでプレーするMFロイス(ボルシアMG)が代表初ゴールを決めて反撃したが、守備陣崩壊で大敗。欧州選手権本番に一抹の不安を残した。

 5失点は04年4月28日、ルーマニア相手に1-5で負けた時以来の失態。ビルト紙は「レーウ監督はボランチのケディラ(Rマドリード)以外、中盤から前は全て攻撃的な選手で構成したが、まるで機能しなかった。ドイツファンにとっての朗報は、このメンバーの試合を見ることは今後ないということだ」とこき下ろした。

 若手のアピールしたい気持ちが強すぎたのか、多くの選手はボールを持ち過ぎ、ダイレクトパスの交換は数えるほど。タイミングの悪い攻め上がりも多く、不用意にボールを失ってはカウンターを許した。来季からアーセナルでプレーするポドルスキ(ケルン)は「本番までにすべきことは山ほどある」と反省した。(中野吉之伴通信員)