<欧州CL:Bミュンヘン2-1ドルトムント>◇決勝◇25日◇ロンドン・ウェンブリー競技場
初のドイツ勢決戦はBミュンヘンが制した。ドルトムントを下し、00-01年以来12季ぶり5度目の優勝。1-1で迎えた後半44分に、MFロッベンが勝ち越しゴールを決め、昨季決勝で「戦犯」扱いされた汚名を返上した。今季はブンデスリーガで圧倒的な強さを見せ、欧州王座まで駆け上がった。ハインケス監督はRマドリード時代の97-98年に続く戴冠で、複数クラブを優勝に導いた史上4人目の監督となった。既に今季限りの退任が決まっており、6月1日のドイツ杯決勝で3冠に挑む。
最後はBミュンヘンの執念と経験値が上回った。延長戦突入まであとわずかという土壇場で競り勝った。リベリが敵に囲まれながら出した球を、ロッベンが受けて縦に抜け出し、落ち着いてゴールに流し込んだ。「これですべての敗北を忘れられる」とヒーロー。試合後にゴールネットを切って持ち帰るなど、子供のような無邪気さにイレブンの喜びが表れていた。
10年、昨年の決勝でいずれも敗れた。01年優勝時メンバーはおらず、誰にとっても「三度目の正直」だった。ロッベンは昨年、延長戦で勝ち越しのかかるPKを失敗し、非難を浴びた。オランダ代表では10年W杯決勝で敗れており、すっかり“持っていない男”になり下がっていた。DFラームやMFシュバインシュタイガーらドイツ代表勢もV逸続きで、「これを逃したらもうチャンスはない。どうしてもタイトルが欲しかった」(ラーム)。
指揮官は昨季からの向上の一因に守備面を挙げる。ロッベン、リベリら個人技に優れ、時に自己中心的と評される選手が「現代サッカーに不可欠な守備を学んでくれた」という。準決勝ではバルセロナ相手に2戦合計7-0の圧勝。この日はPKで1点を献上も、相手エースFWレバンドフスキや若き才能ロイスを封じ込んだ。「誰かのために走り、守る。僕らは真のチームだ」とロッベンは言い、シュバインシュタイガーは「バルサを破って優勝したのだから、文句なしの王者だ」と誇らしげだ。
なりふり構わずに選手をかき集め、「FCハリウッド」とやゆされる。既にドルトムント司令塔ゲッツェの獲得が決定。レバンドフスキについても、試合後にハインケス監督が「もうすぐだ」と口を滑らせた。同監督は「バイエルンを中心に、新しい時代が始まる」とも。皇帝ベッケンバウアーを擁して3連覇した70年代以来の「黄金時代」が訪れそうな勢いだ。
◆バイエルン・ミュンヘン
1900年創立。本拠地はミュンヘンのアリアンツ・アリーナ(約7万人収容)。リーグ優勝23回、国内杯優勝15回、欧州チャンピオンズリーグ優勝5回。主なOBはベッケンバウアー、G・ミュラー、ルンメニゲ。昨季は宇佐美貴史も所属した。<CLアラカルト>
★優勝回数
前身のチャンピオンズ杯を含め、Rマドリードの9回が最多。7回のACミラン、5回のBミュンヘン、リバプール、4回のバルセロナ、アヤックスと続く。
★複数クラブでの優勝監督
過去にはエルンスト・ハッペル(70年フェイエノールト、83年ハンブルガーSV)オットマー・ヒッツフェルト(97年ドルトムント、01年Bミュンヘン)ジョゼ・モウリーニョ(04年ポルト、10年インテルミラノ)の3人。
★同一リーグ決勝対決
過去には00年Rマドリード-バレンシア、03年ACミラン-ユベントス、08年マンチェスターU-チェルシーの3回。

