<スイス杯:ボーレン1-3バーゼル>◇3回戦◇29日◇ボーレン

 柿谷、ビューティフルゴール!

 バーゼルの日本代表FW柿谷曜一朗(24)が、2部ウォーレン戦で鮮やかなジャンピングボレーを決めた。8月31日のリーグ戦、ヤングボーイズ戦以来、約2カ月ぶりの得点。さらにアシストも記録し、勝利に貢献した。高い技術を見せつけた柿谷について、地元紙は絶賛。次戦以降も先発起用するよう、パウロソウザ監督に呼び掛ける記事を掲載した。

 久しぶりに、柿谷らしい美しいゴールが出た。10月4日のリーグ戦・ザンクトガレン戦以来、今季5度目の公式戦先発。「やってやろう」という気持ちがプレーに表れた。前半11分。右クロスに合わせて、ちゅうちょなくジャンプすると、オーバーヘッド気味に右足ボレーをたたき込んだ。

 だが、スイスへ渡り、なかなか思うような出場機会に恵まれないうっぷんを晴らすには、それだけでは足りない。同点に追いつかれた後の前半41分。敵陣センターサークル内でパスを受けると、素早くターン。相手センターバック2人の間のスペースに絶妙のスルーパス。これを受けたシオが左足で流し込んだ。

 バーゼルはスイス杯9年連続の8強進出。スウォンジー(イングランド)などで指揮を執り、昨季はマカビ・テルアビブ(イスラエル)をリーグ優勝に導いた知将パウロソウザ監督も「正しい心構えで(2部首位の)危険な相手にしっかりと勝てた。特に、うまく試合をコントロールした後半の出来に満足している。我々はどんなゲームでも勝たなければ。それがバーゼルだ」と納得の様子を見せた。

 この柿谷の活躍を、地元バーゼルのバスラーツァイトゥング紙は大々的に報じた。「後半も、得点こそ生まれなかったが、バーゼルは何度もチャンスを作った。特に柿谷とシオの2人は、不慣れなコンビとしては驚くほどいいハーモニーが取れている」と、「カキ・シオ」コンビを絶賛。「もっと別の対戦相手にもお勧めできる内容だった」と監督に対し、起用を増やすことを呼び掛けた。

 次は1日のリーグ戦で、グラスホッパーと対戦。今季は10チーム中8位と調子が出ていないが、スイス1部最多27回の優勝を誇る名門が相手だ。これからプレー時間を増やせるか-。スーパーゴールで弾みのついた柿谷にとっては、試金石の一戦ともなる。<柿谷の美しいゴール>

 ◆50メートル弾(07年8月25日U-17W杯フランス戦)センターサークル内から右足で約50メートルスーパーロングシュートを決めた。

 ◆超絶トラップ(13年5月25日Jリーグ名古屋戦)MF枝村のロングパスを左足アウトサイドでトラップし、即座に右足で決めた。同月の月間ベストゴールを受賞。

 ◆浮かせかわし(13年11月30日Jリーグ鹿島戦)MF山口の右クロスに背後からくる相手DFをボールを浮かせてかわし、そのまま右足アウトサイドで決めた。同年の年間ベストゴールを受賞。