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コラム「michi's EYE 〜元日本代表・村上睦子がみたレッドウェーブ

勢いと体調管理が大切なトーナメント戦


 オールジャパン(全日本総合選手権=1月1日から11日、東京体育館など)が1週間後に迫りました。この大会に出場する選手はお正月気分を味わうことなく大会を迎えます。年末はみなさんにとってもあわただしい時ですが、各チームとも別の意味で忙しい時間を過ごしているでしょう。

 高校や大学のチーム、さらには各地の予選を勝ち抜いたクラブチームも出場するこの大会はサッカーの天皇杯と同じく、男子の優勝チームには天皇杯が、女子の優勝チームには皇后杯が授与されます。もちろん富士通などのWJBL勢の力が抜き出ていることは間違いのないところですが、バレーボールの全日本選手権で高校チームの東九州龍谷がプレミアリーグ勢を破って準決勝に進出したり、サッカーの天皇杯でも大学生チームの明大が、J2の湘南とJ1の山形に勝つなど、一発勝負の大会では何が起こるかわかりません。高校生や大学生にとっては格上チームと対戦できる貴重な機会なので、思い切った試合をしてほしいです。

 さて分かりきったことを言うようですが、トーナメント戦で優勝するということは、1回も負けないということです。負けないためには「最初から全力で」といいたいところですが、短期間の間に何試合も行われるので、初戦から主力選手が出ずっぱりだと疲労も残ってしまいます。WJBLのチームとしては 主力選手が疲労をためないために、格下チームと対戦する大会の前半は主力と若手をうまく起用しながらのゲーム運びが不可欠だと思います。といって力を抜きすぎると前述したバレーの全日本選手権のように、高校生や大学生に足元をすくわれるかもしれません。ここは監督の腕の見せ所でしょう。

 さらにトーナメント戦で必要なのが「勢い」です。連戦となるため、チームとして勢いをつけ、内容のいい試合をして勝つことができると次戦にいい影響を与えます。逆に勝ち方が悪いと、修正する時間があまりないだけにズルズル行ってしまう傾向にあります。また選手個々の「勢い」とはラッキーガールやラッキーボーイの存在を意味します。調子のいい選手が出てくると、運を味方につけられることもあります。

 では、そのためにはどうしたら良いのでしょうか? 私はこういった試合の期間にはいつにもまして体調管理をしっかり行う必要があると思います。私がシャンソン化粧品に入団して1年目のオールジャパン前にチームで外食をしたのですが、その際に選手の半数が食中毒になってしまった事があります。きつい練習が続いて体力的に弱っていたことも要因のひとつだと思いますが、腹痛と嘔吐(おうと)で2~3日入院しました。退院後もその影響で練習もほとんどできませんでした。その後大会を迎えたのですが、なんとか決勝まで進出したものの、共同石油に負けて優勝を逃しました。

 食中毒になってしまったのは不運としかいいようがないのですが、この事があってから、体調管理にはより気をつけるようになったことも事実です。私の反省も含めて、選手は手洗いうがいはもちろんの事、免疫力を上げるためにもビタミンCを摂取し、よく食べよく寝ることが必要です。そして大会中はホテルを拠点として試合や練習にいくケースも多いので、ホテルの部屋の乾燥を防ぎ風邪の予防のためにも、お風呂にお湯をはり、バスタオルをぬらして干しておくなどの対策も必要だと思います。

 大会はリーグ前半戦を1位で折り返したトヨタ、連覇を狙うJOMO、2年ぶりの皇后杯奪回を狙う富士通を中心とした戦いになると思います。選手のみなさんには体調管理に気をつけて全日本総合にはベストのコンディションで臨んでほしいです。

村上睦子(むらかみ・ちかこ)
 1970年生まれ。愛知県常滑市出身。現姓・岩屋。星城高卒業後、89年にシャンソン化粧品女子バスケットボール部に入部。165センチの身長ながら的確なパスワークと突破力を武器にポイントガードとして活躍した。シャンソン化粧品の10連覇のうち90-91年シーズンから98-99年シーズンの9回の優勝に貢献。その間、新人賞、3回のMVP、7回のベスト5を受賞した。日本代表では92年、98年の世界選手権、96年のアトランタ五輪に出場。アトランタ五輪では7位入賞を果たし、97年には米女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)ニューヨーク・リバティのトライアウトにも挑戦した。99年のシドニー五輪アジア予選を最後に現役を引退。現在は子供たちを対象にしたバスケットボール教室などを行っている。

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