東京マラソン財団は29日、東京都内で理事会を開き、来年2月26日の大会からゴールを丸の内側の東京駅前へ移すコース変更を決めた。

 これまでの臨海副都心の東京ビッグサイトは海外の主要大会と比べて景観上の華やかさを欠き、皇居へと続く行幸通りに赤れんがの駅舎を背にゴールすることで東京の魅力を発信する狙いがある。スタートは都庁前で変更はない。

 新コースには国技館のある両国などが新たに加わり、五街道の起点である日本橋も渡る。銀座や浅草も通過する点は変わらないが、細かい起伏の連続で終盤にランナーを苦しめてきた臨海地区は外れた。

 東京都の舛添要一知事は記者会見で「東京の素晴らしさを国内外に伝え、記録を狙える高速コースにするための変更」と指摘し、「東京駅をバックにしたゴールは絶対に絵になる。ランナーにとって最高のおもてなしだ」とアピールした。

 東京マラソン財団によるとゴール変更は参加者らの利便性を高める効果も期待できる。一方でゴール後の着替えスペースの確保が大きな課題で、今後、詳細を詰める。

 大会は世界最高峰シリーズ「ワールド・マラソン・メジャーズ(WMM)」の一つで、今年2月の第10回大会には約3万6千人を超えるランナーが参加した。