<陸上:ダイヤモンドリーグ第4戦プレフォンテーン・クラシック>◇1日◇米オレゴン州ユージン

 男子走り高跳びはロンドン五輪銅メダリストのムタス・エッサ・バルシム(21=カタール)が2メートル40のアジア新記録で優勝。

 昨年、朱建華(中国)の持っていた2メートル39のアジア記録に28年ぶりに並んでいたが、それを1センチ上回った。

 ロンドン五輪メダリスト5選手(3位が3人)が出場して注目された種目。金メダルのイワン・ウーホフ(27=ロシア)と銅メダルのロビー・グレーバース(25=英国)は2メートル30よりも前に脱落したが、バルシムと銀メダルのエリック・キナード(22=米国)、銅メダルのデレク・ドルーアン(23=カナダ)の3人が2メートル36をクリアするハイレベルの争いに。2メートル39を他の2人が3回失敗した時点で優勝が決定したバルシムは、3回目をパスして2メートル40に挑戦。見事にクリアした。「すごく興奮している!」何度も腕を突き出しては胸をたたき、大声で叫び続けた。2メートル40は世界歴代4位タイ。また、屋外の2メートル40以上は2000年8月が最後。

 この日のバルシムは21世紀初の2メートル40ジャンプだった。身長192センチ、体重70キロと走り高跳び選手らしいスリムな体型。「世界記録(2メートル45)も跳びたいと思っているが、無理をしてケガはしたくない。一歩一歩近づいていきたい」。競技後は冷静に、今後の展望を語った。