<東京国体:陸上>◇5日◇味の素スタジアム

 成年男子やり投げは、8月の世界選手権モスクワ大会代表の村上幸治(33=スズキ浜松AC、愛媛)が4連覇を果たした。

 3投目を終え74メートル56でトップ。ところが4投目に、成長株の新井涼平(国士舘大、埼玉)が77メートル40を投げ、逆転された。それでも冷静に「5、6投目の2本に流れを作るために」と4投目はパス。そして迎えた最終6投目。「来年につなげるためにも。集中できた」という試技直前と、ヤリを放った瞬間の「(やりの軌跡が)低い。ミスした」という重いが交錯する中、新井の記録を5センチ上回る77メートル45で、逆転勝ちを収めた。

 「低かったので無理だと思ったのに、あそこまで飛んだ。来年へのいいイメージになった」と村上。メダル候補の期待も、よもやの予選落ちを喫したモスクワの失意から約2カ月。既に来季に向けた練習をスタートさせている村上が、再起への1歩を踏み出した。