全国高校バスケットボール選抜優勝大会(ウインター杯)は23日、東京体育館で開幕する。5年連続11度目の出場の女子・常葉学園は24日の2回戦で、滋賀短大付(滋賀)と金沢総合(神奈川)の勝者と対戦する。今年創部40周年を迎えた常葉学園には、昨年大会と今夏総体での全国8強を超える快進撃が期待されるが、就任22年目を迎えた小前宏史監督(48)の指揮の下、まずは初戦突破に全力を注ぐ。

 「一戦必勝」。開幕を1週間後に控えた常葉学園の目標は明確だ。2回戦では、今夏の大分国体準優勝・神奈川の主力がそろった金沢総合との対戦が決定的。「はっきり言って『手ごわい』ではなく『すごく強い』。まともに戦ったらまず勝てないですね」。百戦錬磨の小前監督も苦笑いする強敵だ。それでも「相手も同じ高校生。一発勝負のトーナメントで県決勝のような流れをつくれば、勝機は生まれる」と言い切った。

 強豪撃破のカギは、ずばりディフェンス。相手の攻撃を粘り強くしのぎ、リバウンドを拾ってカウンターや3点シュートで着実に得点につなげて主導権を握りたい。風間緑主将は、2年前の総体3回戦で金沢総合に先発で対戦し、13点差で完敗したリベンジに燃える。「あの時は何もできなかった。今回は3年生として責任あるプレーをします。絶対に逃げずに体を張って、ボールをつなぎます」と力強く話した。

 2年前の風間のような新鋭も台頭している。錦織静花(1年)は、11月の市沼津との県大会決勝で献身的なディフェンスを買われて途中出場。いきなり、相手選手のひじが顔に当たって、鼻が曲がった。大量の鼻血を流しながらも「自分で元に戻して」コートに復帰する根性を見せた。チームは奮い立ち、接戦の下馬評を覆す90-59の大差で、史上初の大会5連覇を達成した。「お世話になった3年生のためにも、全国でも頑張ります」と誓っている。

 今年は創部40周年の記念イヤー。「ここまで支えてくださった先輩や関係者のみなさんの声援に応えるためにも、自分たちのバスケットを出し切りたい」と攻守のかなめ西野いずみ(3年)が、全部員の意気込みを代弁した。【大石健司】