<全国高校バスケット選抜優勝大会:沼津中央83-82東海大相模>◇男子1回戦◇24日◇東京体育館

 

 男子の沼津中央(静岡)が東海大相模との接戦を制し、2回戦に駒を進めた。201センチのセネガル人シェリフ・ソウ(2年)が厳しいマークの上から37得点を量産。2年生中心の初出場チームながら初白星を挙げた。試合後にはチームワークを欠く戦いぶりに杉村敏英監督(61)から厳しい怒号が飛び、ピリピリムードが漂った。今日25日には全国総体準Vの明成(宮城)と対戦する。

 勝利の余韻はみじんもなかった。初勝利を挙げた沼津中央の選手に、杉村監督が怒りをぶちまけた。「ふざけんな!

 たまたま勝っただけだ。100%負けの試合。チームワークがなさすぎる。1人1人が無責任。明成に100点ゲームで負けろ!!」。冬の選抜初出場で初勝利。しかし、勝ったとは思えない言葉が、次々と指揮官から飛びだした。

 すべては今日の2回戦に勝つために、問題を浮き彫りにさせた。同監督は「今までで一番悪い試合。試合前からバラバラ。(シェリフ)ソウを1人孤立させている。『僕は何のために日本にきたのか分からない』と言っている」と話した。セネガル人のシェリフを生かし切れない状態は大会直前に表面化した。モチベーションを下げてしまったシェリフに、同監督が寮で深夜0時ごろまで付き添って話し合ったこともあった。

 それでもミス続出でチームワークを欠いてもシェリフの37得点で勝利を呼び込んだ。「勝てたのはソウがいたから」と同監督は認める。「今までできてたやつら。溝はこの試合で埋まる。これで踏ん切りがついただろう」と期待を込めてあえて怒鳴りつけていた。

 シェリフも「コミュニケーションがとれていない。チームワークがあればもっとできる」と話した。日本人選手たちは「今日帰ってミーティングで話し合いたい」と口をそろえる。次は今夏準Vの強豪明成。生半可な態勢では歓喜は生まれない。一致団結が何よりも大きな武器になる。【栗田成芳】