<全国高校バスケット選抜優勝大会:東北学院119-57松山工>◇男子2回戦◇25日◇東京体育館

 セクシーバスケットボールが開花した!

 初出場の東北学院(宮城)が松山工(愛媛)に圧勝。発想豊かで華麗なパスワークとドライブで観衆を魅了する“セクシープレー”で圧倒した。

 “セクシー場面”満載の試合になった。オフェンスの鬼、PG冨永昇平(3年)がド迫力のドライブを披露すれば、SG早坂翼(2年)が3点シュートを7本決める。冨永はパスセンスも抜群。マークを集中させパスを散らし、周りを生かす。第2クオーター(Q)終了時に74点を奪い試合を決めた。

 ワンタッチパスで相手を翻弄(ほんろう)する場面も。冨永は「アイコンタクトで次はどういうプレーをするか分かる」と話す。05年の全国高校サッカーで野洲(滋賀)が優勝。華麗なパスとドリブルから「セクシーフットボール」と呼ばれた。東北学院の華麗さも、まさに「セクシーバスケットボール」だ。

 自由な発想はチームミーティングから生まれる。試合後は必ず、試合のビデオを見て選手同士が意見を言い合う。それによって豊富なアイデアが作り出される。特にクリエーティブなプレーが要求される司令塔、冨永は自宅でも頭脳トレーニングに励む。部活動が終わり帰宅すると父、兄が用意したビデオを見る。「NBAでも高校バスケで使えるプレーがある」。小さいころから、この方法で「バスケ頭脳」を鍛えてきた。

 応援席ではサッカーW杯南アフリカ大会で流行したブブゼラを吹く部員も。前日のクリスマスイブには部員全員でコンビニに行きケーキを購入。プチクリスマス会で「明日も頑張ろう」と誓い合った。コート外でも自由な発想でチームを盛り上げている。

 この日はクリスマス。冨永は「勝つことが親や監督へのプレゼント」。勝利のコメントも“セクシー”だった。【三須一紀】