新年から吉兆スタートだ。石川遼(18=パナソニック)が5日、今季初戦のロイヤル・トロフィー(8日開幕)が行われるタイに入った。成田空港での会見で、前日4日に2年連続でマスターズ(4月8~11日、米ジョージア州オーガスタ)の招待状が届いたことを発表。昨年の最終世界ランク50位以内の資格で出場権を得ていた石川は、出発前日のタイミングに「この瞬間を待っていた」と感激。米ツアー仕様に改良した練習場で年末年始も練習を積んで準備万全。「日本全体を明るくしたい」とあらためて決意表明した。

 飛躍の1年を予感させる幸先のいいスタートだ。成田空港で石川が、いきなりマスターズの招待状を披露した。4日、ジャパンゴルフツアー選手会理事会を終えて帰宅すると、普通郵便で届いていたという。「1日遅れていたら、母が封を切っていたと思う。自分の目で見られたこと、手で触れたことはすごく良かった。年明けから身が引き締まっていい」。今季初戦の出発直前という最高のタイミングに決意を新たにした。

 初出場した昨年は、1月22日にマスターズ委員会から埼玉県内の自宅に「特別招待」の電話があった。招待状は同25日に届いた。今年は前回より20日以上も早かった。愛人スキャンダルで無期限休養を宣言したウッズに代わるスター候補へ、大会側の期待度の表れかもしれない。「年末時点で世界ランク50位以内に入っていたんで、今年の方が早く届くかなと思っていました。ゴルフとスポーツの力で日本全体を明るくできれば」。心は早くも日の丸を背負っていた。

 今年は、昨年の最終世界ランク50位以内の資格で自力で出場権を獲得した。日本ツアーの昨季賞金王としての自信もある。2度目の招待状を受け取ったときの心境も、昨年とは違っていた。「去年はこれ以上ないくらいびっくりした。今年は本当にこの瞬間を待っていた」。昨年の招待状は額に入れて、自宅近くの私設練習場のトレーニング室に飾った。2枚目も並べる予定だが「『飾っておくのも今のうち』と言えるようになりたい」とも話した。

 米ツアー再挑戦への準備も万全だ。マスターズの会場オーガスタ・ナショナルGCと同質の砂を入れたバンカーなどを完備していた私設練習場を、昨冬にさらに改造。自治体の許可を取って、グリーン前を横切っていた水路に橋状に土をかぶせ芝を張った。強い風などに対応する、転がして寄せるアプローチ練習が可能になった。さらに10カ所以上に刈高を変えた1畳分の洋芝を増設。年末までクラブを握って調整した。

 「自分の体が1年間通してフルに戦えるように努力するので、神様も応援してください」と初詣でで祈願した。その飛躍の1年のスタートとなるロイヤル・トロフィーは、アジア選抜で世界ランク最上位選手として臨む。「誰かが『遼に引っ張ってもらいたい』と言われれば嫌というつもりはない」。夢舞台への招待状を手に、タイから新たな挑戦が始まる。【阿部健吾】