国際オリンピック委員会(IOC)は13日の理事会で、2016年夏季五輪に追加する2競技を絞り込む。運命の日を待つ7つのスポーツの現状は-。

 ゴルフはプロツアーが世界各地で行われ、トップ選手は莫大(ばくだい)な収入と知名度を誇る。日本ゴルフ協会の岩上安孝専務理事は五輪入りの長所に「競技スポーツとしての地位の向上」を挙げた。

 用具やプレー費が高く、成人男性のぜいたくなレジャーとみられることが多い。日本ではゴルフ場利用税を徴収され、国家公務員倫理規程の禁止行為に「利害関係者とのゴルフ」が明記される。男子の石川遼が「小学生のころ『ゴルフをやっている』となぜか言えなかった」と振り返るのも、「負の視線」を感じたからだろう。

 岩上専務理事は「スポーツ界の最高の祭典に選ばれるというのは、娯楽からスポーツへの転換を加速してくれる」と期待した。競技としての認知度を高め、公務員規程や税法を改正するのが日本の関係者の願いだ。

 日本の競技人口は約1000万人で、その6割が50歳以上ともいわれる。用具大手ブリヂストンスポーツの嶋崎平人執行役員は「2016年大会なら、今の中高生に出場のチャンスがある。ジュニア世代が夢を持てる」と分析した。用具業界は世界的不況の影響が深刻なだけに「採用されて最初の五輪が東京なら、日本のゴルフ産業にとって効果は計り知れない」と青写真を描いた。

 ▽見通し

 ラグビーとともに実施競技入りが有望という観測はある。協賛社など商業面での期待も大きいが、若者をターゲットにするIOCの方針に合致するか。(共同)