日本男子ゴルフ界初となる地域・市民参加型のプロトーナメント「とおとうみ浜松オープン」(主催・合同会社ボランタリートーナメント浜松)の設立会見が7日、静岡・浜松市で行われた。これまでの企業スポンサーの出資に頼った冠大会形式ではなく、地域や市民のボランティアによる企画・運営と、チケットの販売収益だけで、賞金総額1億円の男子プロツアーのトーナメントを来年5月第3週に開催する。

 経済情勢やスポンサー企業の業績に頼らない、画期的な新大会が誕生する。とおとうみ浜松オープンは「みんなでつくるゴルフトーナメント」を合言葉に、来年に市制100周年を迎える浜松市の経済界の重鎮が中心となって開催を構想。日本ゴルフツアー機構(JGTO)と同選手会が完全協力する形で実現にこぎ着けた。「今までのような大企業の冠トーナメントじゃありません。官民一体となったチケット販売だけが原資なんです」。大会のゼネラルプロデューサーを務める加茂晴康主催者代表(65)が、笑顔で宣言した。

 異色の大会には、付加価値を増すためのアイデアとイベントが満載だ。今季ツアーでは空き週だった5月第3週に開催される。最終調整中の開催コースは未発表だが、練習日の16日から最終日の22日までの7日間の「特別前売り通し券」を日本ツアー史上最高額となる2万1000円(子供は無料)で販売する。2日間の練習日とプロアマ戦も観戦可能な上、通常は禁止されている写真撮影もプロアマ戦までの3日間はOK。チケット購入者や販売支援者の中から抽選で、出場選手や著名人らとのプロアマ戦や前夜祭にも招待される。「トーナメントのチケットをプラチナに変えたい。2万5000枚を売るつもりです」(加茂代表)。

 選手側も新たな試みを歓迎。会見に出席した選手会の深堀圭一郎会長は「選手の間にも、新しい市民参加型のトーナメントができるという驚きと感謝の声が広まっています。我々もできることはすべて協力したい」と感激。現在、賞金ランク1位の石川遼もビデオメッセージで「僕も参加して盛り上げたい」と、早くも出場を約束していた。【大石健司】