<女子ゴルフ:伊藤園レディース>◇最終日◇17日◇千葉・グレートアイランドC(6639ヤード、パー72)

 横峯さくら(27=エプソン)が今季4勝目を挙げ、賞金ランクトップに浮上した。1打差4位から出て4バーディー、ノーボギーの68で回り、通算10アンダー206で通算22勝目。今季獲得賞金を1億1900万7638円とし、前週まで1位の森田理香子(23)を逆転した。8月からメンタルトレーニングを始め、欲をかかずに自分の力量を見極めたゴルフに徹した。以前の「イケイケ」とはひと味違う「大人のゴルフ」で、09年以来2度目の賞金女王に突き進む。

 1打リードで迎えた18番の第2打で、横峯はピンを狙わなかった。最終組の大山に並ばれる可能性があったのにだ。それどころか、「3パットでプレーオフでOK」と思ったという。残り140ヤードから9番アイアンで打った球は、カップまで20メートルのグリーン中央へ。「以前だったらピンを狙っていた。でも、それは欲につながる」。結果的には2パットのパーにまとめ、逃げ切った。

 勝因にメンタルトレーナーの森川陽太郎氏(32)に師事した効果を挙げた。キーワードは「OKライン」。自分に課す「ハードル」のような意味で、「OKラインを上げない」が横峯の口癖になった。「バーディーを取りたい」「勝ちたい」という欲で自分に重圧をかけることを避け「今の自分にできること」(横峯)に集中するという。

 15番終了時点では吉田に並ばれていた。「優勝を諦めはしないけど、2位でもいい」と考えた。17番では1・5メートルの微妙な距離のパーパットに、「入れたい」ではなく「ヘッドアップしないように」とだけ思い、見事に沈めた。

 09年に大逆転で賞金女王になった。当時を「がっついていた。がむしゃらにやっていた」と振り返る。「もっとポジティブじゃなきゃいけないと思っていた」とも。今はネガティブなことも受け入れられるようになった。前日には「以前は緊張しちゃいけないと思っていたけど、緊張してもいいと思える」と話した。逆転の発想。この日の残り2ホールは「いい緊張感でできた」と満足そうだ。

 欲をかかないゴルフはスコアにも表れている。この3日間でボギーはたった1つ。安全策というより、一喜一憂しない「大人」のプレーだ。今季平均パット数1位も、入れたいと思うからヘッドアップするという典型的なミスから脱却した証しといえそうだ。

 6月のサントリーレディース終了時には最大4338万4167円あった森田との差を逆転し、2度目の賞金女王が見えてきた。今回は勢いというより、精神面と技術の安定感が、横峯の武器になるに違いない。【岡田美奈】