GP2アジアシリーズの最終第5ラウンド(ドバイ)で吉本大樹(27=メリタス)は4ポイントを獲得し、シリーズ初年度をドライバーズランキング9位で終えた。

 金曜朝のフリー走行では「アンダー(ステア)がきつい」状態ながらも上位タイムを刻んでいた吉本。その50分後に行われた公式予選では、まず1セット目のタイヤで1分41秒819をマークし4番手につけた。2セット目のアタックでは「少しプッシュしすぎてミスもあった」ことでタイムを更新できず、最終的に5番目のグリッドを確保した。

 決勝第1レースは金曜の午後に行われた。今季は好スタートを決める場面が多かった吉本だが、このレースでは出遅れ、1周目を終えた時点で9番手に後退した。当初の予定を変更し、序盤4周目にピットイン。14番手でコースに復帰すると、前を行くマシンを次々にパス。ハイペースで周回を重ね、上位のマシンがピットに入ったレース中盤以降はさらに順位を上げた。抜くのが難しいコースながらも、ラスト2周でJ・ダンブロシオとM・ボナノミを豪快にオーバーテーク。5位でチェッカーを受けて今季4度目の入賞を果たし、ドライバーズポイント「4」を積み上げた。

 土曜日はいよいよシリーズ最終となる第2レースの決勝が行われた。吉本は4番手からスタートしたが、マシンはクラッチに不調を抱えており、発進直後にエンジンストール寸前。この間に数台のマシンに交わされた。4周目には、裏ストレートからヘアピンへ進入するところで突然ギアがニュートラルに入り、シフトチェンジできない状態に陥った。コースサイドに止まりかけたところでギアが入ってレースに復帰はしたものの、一気に最後尾まで落ちてしまった。さらに、コックピット内の無線が外れるトラブルやダウンシフト時の挙動不安定、後方からの追突もあって、結果13位で最終戦を締めくくった。

 シリーズを戦い終え吉本は「最終戦で一発花火を上げたかったけど、上げることが出来なくて残念でした。でも、今季リスクを背負ってGP2アジアに参戦して良かったと思います。短いシリーズでしたが、チーム、パーソナルスポンサーのみなさま、応援してくれた全員に感謝しています。ありがとうございました」と総括した。