<ルマン24時間レース>◇11日◇予選◇フランス、ルマン・サルト・サーキット(1周13・629キロ)

 No・8のプジョー

 908HDi-FAP(サラザン、モンタニー、ブルデー組)が3分22秒888のタイムでポールポジションを獲得した。

 予選日のル・マンに、ようやく晴れ間が戻ってきた。8日の開幕以降、雨が降らない日はなく、10日に行われた練習走行は午後6時から深夜12時までの6時間の大半がウェットコンディションに見舞われた。明けて11日は朝から青空が広がる好天気。例年、ル・マンウィークの2週間前に行われるテストデーが折からの世界的経済危機の影響でキャンセルされたため、公式イベントでの完全なドライコンディションはこれが初めて。大半のチームがタイムアタックを行いつつも、その先にある決勝を強く意識したクルマのセットアップを行ったと見られる。

 ポールポジションを獲得したプジョーでアタックを担当したのはサラザン。ヘッドライトを点灯しての夜間走行でトップタイムを更新するのはきわめて珍しいこと。日が明るいうちにトップに立っていたNo・1 アウディ R15TDIのマクニッシュがマークした3分23秒650のタイムを0・762秒も上回るラップタイムで予選最速の座を奪い取った。サラザンにとっては3年連続の快挙となる。

 一方、まさかの逆転に甘んじたアウディは、新車R15TDIをル・マンに初投入。ディーゼルエンジンを搭載するスポーツカーとしては第2世代となるクルマは、今年3月、米・セブリング12時間レースでデビュー・ウィンを飾り、ポテンシャルの高さは実証済み。地元プジョー勢との熾烈な戦いは今年も大いに盛り上がりそうだ。

 一方、2004年にル・マンを制したチーム郷は、トップクラスのひとつ下、LMP2で参戦。2004年でもチームにいた荒聖治がアタックし、クラス2番手につけている。また、日本のレースに参戦する外国人ドライバーで、地元フランス出身のブノワ・トレルイエが加入するNo・17ペスカロロは4番手の好位置から決勝を迎えることとなった。

 決勝レースは現地時間13日の午後3時に幕を開ける。

 ▽予選結果(トップ6、左から順位、車番、チーム名、マシン、ドライバー、タイム)1、No・8

 チームプジョートタル

 908HDi-FAP(サラザン、モンタニー、ブルデー組)3分22秒888

 2、No・1

 アウディスポーツチームヨースト

 R15TDI(カペロ、クリステンセン、マクニッシュ組)3分23秒650

 3、No・7

 チームプジョートタル

 908HDi-FAP(ミナシアン、ラミー、クリエン組)3分24秒860

 4、No・17

 ペスカロロスポール

 908HDi-FAP(ブイヨン、パジェノー、トレルイエ組)3分25秒062

 5、No・9

 チームプジョートタル

 908HDi-FAP(ジェネ、ヴルツ、ブラバム組)3分25秒252

 6、No・2

 アウディスポーツノースアメリカ

 R15TDI(ルーア、ロッケンフェラー、ヴェルナー組)3分25秒780

 ▽主な日本人、日本で活躍する選手の成績

 14、NO・14

 コレス

 R10TDI(カーティケヤン、ロッテラー、ウォルスマン組)3分31秒548

 21、No・5

 ナビチーム郷

 ポルシェRSスパイダー(荒、国本、マーセン組)3分37秒802

 55、No・68

 JLDC

 ランボルギーニ(アピチェラ、余郷、山岸)4分21秒812【島村元子】