<F1:バーレーンGP>◇決勝◇26日◇バーレーン国際サーキット◇57周(1周5・412キロ)

 【バーレーン=米家峰起通信員】トヨタの悲願の初優勝がまたもお預けになった。ヤルノ・トゥルーリ(34=イタリア)とティモ・グロック(27=ドイツ)とチーム初のフロントロー独占で決勝を迎えたが、タイヤ選択の戦略ミスでトゥルーリの3位止まりに終わった。ブラウンGPのジェンソン・バトン(29=英国)が今季早くも3勝目。ウィリアムズの中嶋一貴(24)はリタイアした。

 表彰台ではじける笑顔を見せるバトンの横で、トゥルーリは乱暴に髪をかきむしった。チーム一丸で目指した表彰台の真ん中は、またもライバルに奪われた。

 ポールポジションからのスタートに失敗。同僚のグロックの先行を許した。それでも序盤はチームで1、2位をキープ。順調な滑り出しは10周すぎの最初のピットで暗転した。

 チームは硬いタイヤを選択し、燃料を多く積んで長い距離を走る戦略をとった。だが、予想以上にラップタイムが上がらない。周回を重ねてもペースは上がらず、作戦は空振りした。

 トゥルーリは「がっかりだ。もう少しペースが必要だった」と戦略ミスを認めた。

 オフに戦闘力のあるマシンを作り上げた。金融危機をきっかけに、ライバルのホンダが昨季限りで撤退。トヨタも予算削減を迫られる中、技術を結集させた。ところが、開幕戦のリアウイングの規定違反での降格、第2、3戦の豪雨による変則的なレースと逆風が吹いた。F1では他チームの研究で、レースを重ねるたびに差が縮むのが常。その中で今回、初優勝まであと少しと迫った。山科忠チーム代表は「前回の表彰台には涙ぐむスタッフもいたが、今回は冷静に見られた。成長できている」と前向きにとらえた。