国際オリンピック委員会(IOC)は8日、スイスのローザンヌで理事会を開き、2020年東京五輪の会場計画で未承認だった10競技のうち、セーリングやバドミントンなど8競技の会場を承認した。既に2月に18競技を承認しており、今回で実施が決まっている28競技のうち26競技の会場が決定。残りは自転車とサッカーのみとなり、昨年6月に東京都の舛添要一知事が見直しを表明して以来、約1年でほとんどの会場が決着した。

 一方、大会組織委員会の森喜朗会長は、IOCのバッハ会長が、建設計画が遅れている新国立競技場(新宿区)に懸念を示したことも明らかにした。

 組織委によると、セーリングは東京都江東区から1964年東京五輪と同じ神奈川県藤沢市江の島に変更し、千葉市美浜区と愛知県蒲郡市は見送られた。東京ビッグサイト(江東区)で行う計画だったレスリングとフェンシング、テコンドーはいずれも幕張メッセ(千葉市)で開催。バドミントンは江東区の新設会場から東京都調布市に、ラグビー7人制は新国立競技場から味の素スタジアム(調布市)に移った。

 水球が変更となった水泳と合わせ、7競技で会場が変わった。組織委の武藤敏郎事務総長は「今回の会場見直しで7億ドル(約880億円)のコスト削減になる可能性がある」と述べた。横浜市への変更案が出ていたトライアスロンは、当初の計画通りに東京都港区で実施する。

 トラック種目などの静岡県伊豆市開催を検討している自転車と、会場追加の要望があるサッカーは関係団体との話し合いを続ける。

 開催都市提案による追加種目の選定基準も審議。組織委は9月末までにIOCに提案し、来年8月のリオデジャネイロ五輪前に開く総会で正式に決定する。