「五郎丸先生」が教えます! FB五郎丸歩(29=ヤマハ発動機)が、ラグビーの伝道師となることを誓った。「五郎丸フィーバー」を羽田空港に出迎えたファンの多さなどで実感。会見では、11月13日開幕のトップリーグへの来場を呼びかけるだけでなく、人気沸騰中の「五郎丸ポーズ」の指南まで行ってみせた。

 羽田空港で待つファンの前に五郎丸が登場すると、ひときわ大きな歓声に変わった。「五郎丸ありがとう」の野太い声。それを打ち消すような「キャー」という悲鳴のような黄色い声。「試合でも結果が出て、子どもたちなどに憧れの存在になれたことはうれしい。19年のW杯に向けて、国内を盛り上げる任務を果たせた」。南アフリカを初戦で倒しても8強を成し遂げられなかった悔し涙と同じくらいの達成感も得た。

 全試合フル出場。2度のマン・オブ・ザ・マッチ。4戦合計1トライ、7ゴール、13PG。58得点は日本歴代最多得点を更新した。さらにイケメン。子どもたちには、キック時の独特なポーズが大人気になった。今後もラグビーに関心を持ってもらうチャンスと捉え、会見では「もっと指に注目してほしい」と五郎丸ポーズの講義が始まった。「実際は指が立っているのは3、4本。2本だと違うものになってしまう。もっと研究して」と笑わせた。

 五郎丸フィーバーは早くも結果に出ている。ヤマハ発動機のトップリーグ開幕トヨタ自動車戦(11月14日、パロ瑞穂ラ)のチケットは、既にほぼ完売。チームのホームページアクセスはW杯前は多くても1日3000件だったが、3万を超える日もある。チームファンクラブも2000人から3000人に増加。「入りは何でもいい。見に来てくれれば、子どもも大人も感動がまた違ってくる。自分は100%やるだけです」。今月末にもチームに合流する。

 中学時代はサッカーも経験し、福岡県在住ながらJリーグ清水のグッズやユニホームをまとった少年だった。Jリーガーにも憧れて、磨いたキック力。大舞台で子どもたちに夢を与える存在となった。「W杯は楽しく、最高の舞台でした」。しばし心身を休めて、再びスポーツの喜びを伝える存在となる。【鎌田直秀】