帝京大の男子柔道部で学生3人が30代の男性指導者によるパワーハラスメントで精神的苦痛を受けたとして、この指導者に総額440万円の賠償金を求める訴訟を21日に起こすことが20日、分かった。大学の現役部員が指導者を訴える異例の事態となる。訴状では外国籍を持つ部員への差別的発言や、特定の部員への暴言があったと主張。昨年11月に当時1~3年生の全部員が大学側に更迭を求める嘆願書を出したが、謹慎を経て今年2月に復帰したという。

 帝京大の男子は東京都学生連盟2部。女子は谷亮子さんや松本薫選手ら五輪金メダリストを輩出。提訴した学生の1人は「練習を理由に授業も出させてくれない時もあった。あの先生のもとではやっていけない」と述べた。男性指導者は「生徒のためを思って今まで指導してきた。今後も続けたい」と話した。暴力行為はなかったとしている。全日本柔道連盟の近石康宏専務理事は「現時点では推移を見守る」とコメントした。