全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕副会長は15日、国際柔道連盟(IJF)が発表した来年以降の新ルールについて「柔道の価値を高めるために一本を重視した。技を大切にしたいということだ」と理解を示した。

 IJF理事として昨秋からルール変更の議論に参加しており、東京都文京区の講道館で内容を説明。テディ・リネール(フランス)が原沢久喜(日本中央競馬会)を指導1の差で下したリオデジャネイロ五輪男子100キロ超級決勝を例として「最高の舞台で真の王者を指導差で決めるのは適切なのか」との意見が相次ぎ、変更の一因となったことを明らかにした。

 新ルールでは有効が廃止されて一本と技ありだけとなり、男子の試合時間は5分から4分に短縮。指導だけの差ならば時間無制限の延長を実施するなど大幅に変わった。山下理事はIJFのビゼール会長らの考え方を「ルールを熟知していない人にも親しみやすく、楽しめる改良を、との方針がベースにある」と評価した。

 日本勢への影響については「実際にやってみなければ分からないが、われわれが志向した方法に間違いはない」と述べ、全柔連の強化方針を変える必要はないとの認識を示した。