リオデジャネイロ・パラリンピック車いすテニス女子シングルス銅メダルで、世界2位の上地結衣(22=エイベックス)が、2年ぶり3度目の決勝に進んだ。

 同8位のルーシー・シュカー(英国)に6-3、6-2のストレート勝ち。「落ち着いて冷静にプレーできた」。決勝では、同1位のグリフィユン(オランダ)と、自身初の全豪シングルス優勝を懸け対戦する。

 上地は、今対戦では使用しなかったが、20年東京パラリンピックに向け、新兵器“回転”サーブを導入だ。サーブを打つ前に、車いすの車輪を1回転させ、勢いを付けてサーブを打つ。「打った後に動いているので、取れる範囲が広がる。外国勢に比べて手も短いので、普通だと取れる範囲が狭い」。リオ・パラリンピックの後に、すぐにコーチと話し取り組んだ。

 しかし、昨年12月のマスターズ大会で使用したときに注意を受けたという。規則では、「サーブを始める前に選手は静止しなくてはならない。その後、球を打つ前にワンプッシュしてもいい」とある。車輪を1回転させる行為自体はワンプッシュと同じだが、その前の静止という言葉に触れたのかもしれない。上地も「まだグレーゾーン。だから、今は封印中という」。

 それでも、バックのトップスピンなど、新しい技術を車いす女子に次々に導入。「自分が勝っていくためにどうすればいいかを考えている」。

 4大大会で、全豪のシングルスだけがタイトルがない。「勝ちたい」。決勝の相手とは、対戦成績は五分の13勝13敗。決勝で雌雄を決する。