男子66キロ級では、昨年12月のGS東京、2月のGSパリを制した19歳のホープ、阿部一二三(日体大)が決勝で高市に勝利し、2連覇を達成した。1回戦からオール一本勝ち。決勝は残り1分58秒、力強い大外刈りで高市を飛ばした。「技の精度と威力が上がっていて成長している。これに満足せず、20年東京五輪に向けて、誰にも負けない圧倒的な力を手に入れたい」。妹の詩(うた)も同じで「大舞台ほど緊張しない。人に見られている方が力が出る。阿部家の血ですかね」と強心臓ぶりも明かした。

 昨年の大会で優勝しながら、リオ五輪銅メダルの海老沼に日本代表の座を奪われた。「海老沼さんは大きい存在」と語る一方で「今は自分が一番強いという気持ち。隙のない柔道で東京五輪まで負けなしでいきたい」と大きく出た。今回、初の代表の座を手にし、世界のABEを証明する。