2016年夏季五輪開催を目指す東京、シカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの4都市が、開催地選定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に開催計画を説明する招致プレゼンテーションが17日、スイス・ローザンヌの五輪博物館で行われ、シカゴに続いて東京の代表がプレゼンを実施した。

 1964年以来、52年ぶりの開催を目指す東京は石原慎太郎都知事、IOCの猪谷千春副会長、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長らが登壇。半径8キロ圏内にほとんどの会場を配置したコンパクトな計画と、最先端の技術を駆使した運営など選手本位の大会を「ヒーローたちのひのき舞台」としてアピールした。麻生太郎首相は政府の全面的な支援を訴えるビデオに登場した。石原知事は終了後に「非常に難しいレース」と述べた。

 オバマ米大統領が支援するシカゴは、委員からの質問が相次ぎ、規定時間を15分ほどオーバー。ライアン招致委会長は「いい質問が相次いだ」と好感触を語った。

 開催地を決めるIOC総会前に、IOC委員を集めてのプレゼン実施は初めての試み。過去の招致スキャンダルの反省から、委員の候補都市訪問は不正を防止する目的で原則禁止されているため、相互の理解を深める機会として設けられた。10月2日の総会(コペンハーゲン)の前哨戦に位置付けられているが、IOC広報によると、107人の委員のうち93人が出席する関心の高さを見せている。

 河野一郎・東京招致委員会事務総長の話

 プレゼンとしては非常に良かったと思う。アスリートの視点で計画したことが伝わった。選手に最高の舞台を提供するコンセプトは非常に印象的だったと思う。手応えは十分にあった。

 竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長の話

 選手のためにどういう五輪を開催できるかを伝えたかった。われわれの言いたいことは全部表現できた。強調したいことはよく伝わったのではないか。(共同)