<女子テニス:東レ・パンパシフィック・オープン>◇27日◇東京・有明テニスの森公園

 今大会を最後に引退する杉山愛(34=フリー)が、ダブルスで初戦を突破した。ダニエラ・ハンチュコバ(26)とのペアで、鄭潔(中国)、キング(米国)組を6-4、3-6、10-8のフルセットで下した。杉山組は、最終セットの10点先取タイブレークで、絶妙なコンビを発揮。ハンチュコバのストロークと、杉山のネットプレーがかみ合い、「勝てて最高の気分」と杉山は引退の花道を、まず幸先のいいスタートで飾った。

 この日、第1試合に先立って、杉山の引退セレモニーがセンターコートで行われた。14人の選手が集まり、選手を代表してスピーチしたハンチュコバは涙が止まらず。「こんなにすばらしい選手はいなかった。私にとってあこがれだった」と話すと号泣した。杉山も「こんなに多くの人に送られて、私は本当に幸せ者です」と声を詰まらせた。