東京などと2020年夏季五輪開催に立候補していたローマは14日、財政再建を優先させるイタリア政府の支持を得られなかった。ANSA通信が伝えた。ローマは招致断念を余儀なくされ、招致は5都市の争いとなる。

 開催計画の概要を示す申請ファイルの、IOCへの提出期限前日にローマは立候補を断念した。20年五輪の招致レースは16年五輪の7都市、12年五輪の9都市を下回る5都市と少数の争いになり、東京へも微妙な影響がありそうだ。

 関係者の間では、欧州債務危機の拡大でローマは評価を下げていた。しかし、招致を続けていれば大会の開催実績が豊富なイタリアの首都が5月の第1次選考を通る可能性もあった。

 18年冬季五輪招致で3都市すべてが第1次選考を通過したことを考慮すると、今回は4都市が残ることが考えられる。IOCの選択肢は狭まり、資金力が豊かなドーハが通過すれば、開催都市を決めるIOC委員の投票で東京とアジア票を奪い合うことが予想される。