国際オリンピック委員会(IOC)会長選で、バッハ氏が有力との声が強い。追うのはウン氏、キャリオン氏か。選挙が実施される総会で決まる2020年夏季五輪招致の行方も微妙な影響を与えるとされる。

 バッハ氏の強みは、弁護士としての能力を生かした実務面での実績だ。02年から法務委員長としてIOCを支え、夏冬の五輪評価委員長も歴任。フェンシングの五輪金メダリストと選手の経歴も十分で、広い支持を得ているとみられる。

 ウン氏は、過去米国人1人を除いて7人が欧州出身の会長に、アジアから初の就任を目指す。キャリオン氏は財務委員長として、テレビ放送権交渉などでIOCの財政に貢献してきた。

 会長選の3日前には、20年五輪の開催都市が決まる。イスタンブールの関係者は「バッハ氏は東京支持だろう」と読む。二つの選挙の勝者は同じ大陸から選ばれにくいとの見方があり、欧州の都市が招致に成功すればバッハ氏は不利になるからだ。同じ観点で「東京が勝てばウン氏のチャンスはない」と指摘する関係者もいる。