<全日本大学駅伝>◇2日◇愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮(8区間106・8キロ)◇出場26チーム

 早大が、5時間17分1秒で2位に入った。左すね疲労骨折のエース竹沢健介(4年)が、区間賞まで1秒に迫る激走でチームを引っ張った。1年生トリオも好走し、駅伝デビューを果たした4年生2人も戦力として台頭。大会4連覇した92~95年以降では最高となる順位でフィニッシュし、来年1月の箱根駅伝へ弾みをつけた。駒大が5時間16分17秒で、3連覇を果たした。

 これが、エースの走りだ。トップと29秒差の5位でタスキを受けた竹沢は、迷いなく前へ。3キロまでに2人を抜き去り、5キロすぎに2位を走る駒大・宇賀地に追い付く。最後のスパートでライバルを振り切り、3区につないだ。昨年、自分で塗り替えた区間記録に3秒届かなかったが、左すねを疲労骨折しながら、区間賞に1秒まで迫る激走だった。

 故障が悪化する恐れもあった。「覚悟を決めないといけませんから。痛み?

 なくはないけど、関係ありません。それよりも、下級生を褒めてあげてください。僕はつないだだけですから」。主将に触発されるかのように、1年生トリオが奮起した。11位に終わった半月前の出雲駅伝で、区間2ケタ順位だった1区矢沢、3区八木が立ち直り、4区三田は、チームを一時トップに押し上げた。

 さらに、駅伝デビューした4年生の6区朝日、7区三戸(さんど)も好走し、アンカーまで駒大と接戦を演じた。竹沢効果で、チームは自信をつけた。渡辺監督は「竹沢は2~3週間休めば大丈夫。1カ月あれば準備できる。エース区間で、華々しく終わってほしい」と、早くも2区起用を示唆。16年ぶりの箱根総合Vが、射程圏に入ってきた。