<テニス:全豪オープン>◇最終日◇1日◇男子シングルス決勝ほか◇オーストラリア・メルボルン・ナショナルテニスセンター

 世界1位のラファエル・ナダル(22=スペイン)が、全豪初優勝で4大大会全制覇、五輪を含む生涯ゴールデンスラムに王手をかけた。同2位のロジャー・フェデラー(27=スイス)を7-5、3-6、7-6、3-6、6-2、4時間23分のフルセットで下し、4大大会のタイトルが残すところ全米だけとなった。スペイン選手の全豪優勝は男女を通じて史上初。ナダルは4大大会通算6勝目となった。

 宿命のライバルに、再び死闘が待っていた。4大大会決勝で戦うこと7度目。全仏の赤土、ウィンブルドンの芝を制したナダルが、ついに今大会のハードコートのタイトルも手にした。「初めて取ったハードコートの4大大会。本当に最高の気分だ」。4時間23分の激戦を乗り切り、銀の優勝杯を抱きかかえた。

 3本目のマッチポイントで勝利を決めると、コート上に倒れ込んで天を仰いだ。激闘も勝利の瞬間も、まるで昨年のウィンブルドン決勝の再現だった。2人のショットは次元を超え、ピンポン球のようにラリーを続けた。ナダルは「最終セット、プレーの質を上げた」と、第4ゲームでフェデラーのサーブを破り、そのまま押し切った。

 合計347ポイントが、日付を超えて行き交った。ポイントでは、わずか1点差でフェデラーが勝っていた。ナダルは準決勝では全豪史上最長の5時間14分を勝ち抜き、決勝と合わせ9時間37分、110ゲームを戦い抜いた。その不屈の闘志、大事な場面でポイントを逃さない勝負強さで、フェデラーを破った。

 ナダル時代の到来とともに、4大大会全制覇に王手だ。北京五輪のタイトルを加えれば、生涯ゴールデンスラムに残り全米だけとなる。過去に達成したのはアガシただ1人だけ。年間4大大会全制覇を2度も成し遂げたレーバーから優勝杯を受け取ると「夢のような気持ち。いつか分からないけど、必ず達成したい」と、22歳の豪腕が、男子テニス界に新たな歴史を刻む時は近そうだ。