<東日本大学バレーボール>◇2日目◇19日◇1、2、3回戦◇宮城・宮城野体育館ほか

 女子で東北福祉大(東北1部1位)が8強入りした。2回戦で大東大(関東2部4位)を3-0、3回戦で慶大(関東4部1位)を3-0で、ともにストレート勝ち。9年ぶり3度目の優勝へ向け好スタートを切った。

 圧勝発進にも佐藤あり紗(2年=古川学園)は満足しなかった。「自分の仕事はサーブレシーブをしっかりセッターに返すこと。それが今日は少なかった」。スパイク、ブロックでも目立った佐藤だったが、少しのミスも許せなかった。

 1年ぶりに東北福祉大の監督に復帰した元全日本の佐藤伊知子監督(44)は「うちの核は佐藤あり紗の守備」と太鼓判を押す。高2で椎間板(ついかんばん)ヘルニアになり、慢性的に腰が痛む。さらに先月、右小指を剝離(はくり)骨折し、万全とはほど遠い状態だが「痛みに慣れました」とサラリ。身長はチーム一低い164センチだが、我慢強さは誰にも負けない。

 その精神力は母校で培った。3年連続で春高バレーに出場。仙台市出身で今回の地元開催に燃える。佐藤は「将来のことは考えていない。大学日本一になることだけを考えています」と53キロの細身の体に、ずぶとい信念が宿っていた。【三須一紀】